本の紹介
面白い! すごく面白い! 『大乱 関ヶ原』は宮下英樹(みやしたひでき)氏が手がけるマンガ作品である。2022年より月刊誌『コミック乱』(発行/リイド社)で連載開始。2023年4月に第1巻が発売された。 大乱 関ヶ原 (1) (SPコミックス) 作者:宮下英樹 リイ…
島津氏の歴史は面白い! その中で、戦国時代が人気だ。島津忠良(しまづただよし)・島津貴久(たかひさ)・島津義久(よしひさ)・島津義弘(よしひろ)・島津歳久(としひさ)・島津家久(いえひさ)・島津忠恒(ただつね)・島津豊久(とよひさ)など人物…
『鹿児島県史料集』なる鹿児島県立図書館のシリーズ刊行物がある。こちらで出ている本が、島津氏や南九州の歴史を調べるときにすごく重宝するのだ! 鹿児島県立図書館には貴重な史料・資料が大量に所蔵されている。『鹿児島県史料集』は、その所蔵本をおもな…
『旧記雑録』という編纂物がある。『薩藩旧記雑録』ともいう。島津家の歴史を知ることができる史料集だ。膨大な史料を年代順に書写・編集したものである。 まず、情報量がとんでもないのである。原本が失われてしまった史料も含まれている。そして、編年方式…
「島津の退き口(しまづののきぐち)」。慶長5年9月15日(1600年10月21日)の関ヶ原の戦いの一場面である。島津義弘(しまづよしひろ)の「戦場の鬼」っぷりを印象づけるエピソードのひとつだ。 島津義弘は敗軍の将となり、戦場の真っ只中に取り残された。手…
天正6年(1578年)、日向国の高城川原(たかじょうがわら、宮崎県児湯郡木城町)で大友宗麟(おおともそうりん、大友義鎮、よししげ)と島津義久(しまづよしひさ)が激突した。結果は、島津勢が大勝する。大友勢は敗走し、追撃を受けて耳川(みみかわ、宮崎…
日向三代(ひむかさんだい)の陵(みささぎ)はすべて鹿児島県にある、ということになっている。治定されたのは「可愛山陵(えのみささぎ、えのさんりょう)」「高屋山上陵(たかやのやまのえのみささぎ、たかやさんりょう、たかやさんじょうりょう)」「吾…
戦国時代後期の九州は島津氏が席巻する。その過程で戦功を挙げまっくたのが島津家久(しまづいえひさ)である。島津四兄弟の末っ子だ。 四兄弟の中でもっとも知名度が高いのは、次男の島津義弘(よしひろ)だ。猛将としてよく知られている。かたや島津家久の…
島津義久(しまづよしひさ)は島津氏の16代当主である。天文2年(1533年)の生まれで、慶長16年(1611年)に没する。その生涯は戦国時代後期から徳川幕府成立期にあたる。『島津義久 九州全土を席巻した智将』は歴史作家の桐野作人(きりのさくじん)氏によ…
島津義弘(しまづよしひろ)を知るにはオススメの一冊だ! 『島津義弘の賭け』は、16世紀末から17世紀初めにかけての島津家の事情を丁寧に掘り起こす。豊臣政権下で苦闘し、関ケ原の戦いから生還し、粘り強く交渉して本領安堵を勝ち取る。お家存亡の危機の連…
1549年(天文18年)、イエズス会のフランシスコ・ザビエルが薩摩に上陸。キリスト教を日本に布教するための第一歩を踏み出した。ルイス・フロイスの『日本史』はこの出来事から始まるのである。 『完訳フロイス日本史』(訳/松田毅一・川崎桃太、全12巻)で…
ルイス・フロイスの『日本史(Historia de Iapam)』を手に取ってみた。そこに綴られているのは、イエズス会宣教師が見た戦国時代だ。史料としては、かなり面白い存在なのである。 『完訳フロイス日本史』(訳/松田毅一・川崎桃太)という全12巻のシリーズ…
江戸時代が面白い! 中世的な武士の世から近代国家に変わっていく過渡期である。その時代を生きた人が何を考え、どう行動したのか? そこのところを丁寧すぎるほど丁寧に描いているのが漫画『風雲児たち』(作/みなもと太郎)である。これ、すごい作品であ…
戦国時代の島津氏は「強い」というイメージを持たれている。関ヶ原の戦いでの「島津の退き口」のほか、「木崎原の戦い」「耳川の戦い」「沖田畷の戦い」「泗川の戦い」などでの劇的な勝利がよく知られている。映画・ドラマ・小説・漫画なんかでも、このあた…
薩摩藩が編纂させた地理誌 当ブログはおもに南九州の歴史をテーマにしているが、記事作りでもっとも参考にすることが多いのが『三国名勝図会(さんごくめいしょうずえ)』である(実際の表記は『三國名勝圖會』)。鹿児島藩(薩摩藩)が編纂させた地理誌で、…
関ヶ原から長い長い道のり 慶長5年9月15日(1600年10月21日)、美濃国関ヶ原(せきがはら、現在の岐阜県不破郡関ケ原町)で徳川家康が率いる「東軍」と、石田三成らを中心に結成された「西軍」がぶつかった。双方あわせて20万もの兵がひしめき合う大合戦とな…
武家政権の始まりのゴタゴタを勝ち抜く 2022年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が楽しみなのである。主人公は北条義時(ほうじょうよしとき)だ。 鎌倉幕府というのは変則的な政権である。いちばん偉いのは「鎌倉殿(かまくらどの)」と称される将軍なのだが…
カオスすぎる南北朝争乱への序章 南北朝争乱期というのは一筋縄ではいかない。いろんな要素が複雑怪奇に絡み合い、なにがなんだかわからないのである。ややこしいこともあってなのか、学校の教科書なんかでもさらっと流される感じである。歴史好きにとっても…
『島津貴久 -戦国大名島津氏の誕生-』(著/新名一仁) 名著である! ……と思う。当ブログでは島津氏の歴史を扱っているが、記事作りの際にこの本を開くことが多い。そして、欲しい情報がちゃんと見つかるのである。『島津貴久 -戦国大名島津氏の誕生-』では…