ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。

おもに南九州の歴史を掘りこみます。薩摩と大隅と、たまに日向も。

Kindle Unlimitedで読む! 歴史関連のイイ本がけっこうあるぞ

「Kindle Unlimited(キンドルアンリミテッド)」は月額定額制の電子書籍読み放題サービスである。Amazonが提供。このサービスでは200万冊以上を読むことができる。

対応端末はKindleやFireタブレットといったAmazonデバイス、スマートフォン・タブレット・PCなど。基本的には専用の「Kindleアプリ」で読む。

料金は月額980円[税込み]。これがお得なのかは人によるかと。読みたい本がたくさんあるかどうか、ってところからの判断になる。

Kindle Unlimitedには歴史関連の書籍も多い。いい本が見つかる。個人的にはけっこう重宝している。

Kindle Unlimitedで読む

 

Kindleには個人出版の仕組みもあり、出版社を介さない著書も多い。そういったものは質的なバラツキがあるものの、面白い本に出くわすこともあったりする。

ちょっと読んでみたうえで価値を認めたのなら読み進めればいいし、そうでなければ読むのをやめればいい。定額読み放題サービスというのは、「とりあえず手に取って中を見てみる」ということが気軽にできるところがいちばんの利点だと思う。


導入時には無料体験期間などもついていたりするので、まずはお試しで使ってみるべし。

 

 

Kindle Unlimitedで読める歴史関連の電子書籍はかなりある。その中から個人的に「これ、いいな」と思うものをいくつか紹介してみる。

※「読み放題」の対象作品については、変更される場合があります。

 

 

 

『東大教授が教える! 超訳 戦乱図鑑』Kindle版

著/山本博文 発行/かんき出版/2019年

 

古代の「磐井の乱」から近世の「大坂夏の陣」まで、日本のおもだった戦いを解説。「超訳」とあるように戦いをざっくり説明。それでいて、戦いの背景なども丁寧におさえてある。とてもわかりやすく、戦いの全体像がつかめる感じがするのだ。

著者の山本博文(やまもとひろふみ)氏は、東京大学史料編纂所の教授を長年つとめた人物だ。著作はかなり多い。どれも史料に基づく信頼のおける内容でありつつ、堅苦しくなく歴史の魅力を気軽に楽しめる。

 

 

『日本史の一級史料(光文社新書)』Kindle版

著/山本博文 発行/光文社/2006年

 

こちらも山本博文氏の著書。東京大学史料編纂所は史料の収集・調査・編纂を行うところである。そこでの仕事に関わってきた山本氏が、史料について語る。

第4章では、一級史料の一例として『島津家文書』を紹介している。これは島津家に伝わる膨大な古文書類で、東京大学史料編纂所に収蔵されている。

 

 

 

『ビジュアルワイド 図解 日本の城・城合戦』Kindle版

著/小和田泰経 発行/西東社/2016年

 

城と合戦が写真や絵とともに解説される。縄張り図・復元図・断面図などもたくさん掲載されている。

 

 


『島津日新公いろは歌かるたえほん』Kindle版
著/三島知美/2022年

 

「いろは歌」とは、島津忠良(しまづただよし、島津日新斎、じっしんさい)が作ったもの。教育を目的に、人のあり方や武士の心構えを歌にしてある。

本書は「いろは歌」を切り絵とともに掲載。また、歌とあわせて鹿児島県内の歴史についても紹介していく。切り絵かるたが、いい感じなのだ。

 

 

『宝暦治水伝 波闘-歴史に見る治水事業-』Kindle版

作/みなもと太郎 発行/Jコミックテラス/2021年

宝暦治水伝 波闘

宝暦治水伝 波闘

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「宝暦治水」を描いたマンガである。宝暦4年(1754年)から翌年にかけて薩摩藩が関わった木曽三川(木曽川・長良川・揖斐川)の治水工事の顛末を知ることができる。

作者は、みなもと太郎氏。本作は『風雲児たち30巻 外伝 宝暦治水伝』としても発刊されたほか、ワイド版『風雲児たち』にも収録されている。

 

rekishikomugae.net

 

 

 

『日本の戦史 関ヶ原の役(徳間文庫カレッジ)』 Kindle版

編/旧参謀本部 発行/徳間書店/2016年

 

明治時代に大日本帝国陸軍参謀本部が編纂した『日本戦史』から。その中で慶長5年(1600年)の「関ヶ原の戦い」についてまとめられたもの。戦前の政情、各大名の状況、本戦の経過、本戦後の処置と、一連の動きが綴られる。

文章は現代語訳されている(原典は文語体・漢文)ので読みやすい。写真や図版も盛り込まれて、よりわかりやすくなっている。

 

 

『[新訳]名将言行録 大乱世を生き抜いた192人のサムライたち』Kindle版

著/岡谷繁実 翻訳/兵頭二十八 発行/PHP研究所/2008年

 

岡谷繁実(おかのやしげざね)が編纂した『名将言行録』を抄訳して、読みやすくしたものである。『名将言行録』は幕末に編纂がはじまり、明治4年(1871年)に発刊。戦国武将192人の逸話や言動がまとめられている。ただし、史実ではないとされることもけっこう書かれているので、そこは注意が必要。

 

 

 

『蘭学事始: 現代語訳と写真でひも解く』Kindle版

著/杉田玄白 翻訳/愛川今生 2012年 

 

文化12年(1815年)に杉田玄白が記した回想記。『ターヘルアナトミア』→『解体新書』の翻訳の顛末をはじめ、日本の蘭学の草創期について描かれている。これを現代語訳にしてわかりやすく。

 

 

 

『当時の史料で見た大友宗麟と誤解されている事』Kindle版

著/九州歴史研究会 秋好政寿 2019年

 

大友家の資料・史料から、大友宗麟(おおともそうりん、大友義鎮、よししげ)の実像に迫る。

一般的に認識されている大友宗麟の人物像は、敵対国の軍記物の情報からつくられたものだという。そのため、悪く書かれている傾向にあるそうだ。著者は大友家側の史料と照らし合わせながら「誤解されている事」を指摘していく。

 

 

 

『現代訳 雑兵物語 上: 戦国雑兵のサバイバル術(史学社文庫)』 Kindle版

訳/山﨑白露 2018年

 

『雑兵物語』は17世紀に成立したとされる。作者は不詳。雑兵の功名談・失敗談・見聞談などをまとめてある。武具の使い方、戦場での立ちまわり方や心構えなどを訓示する兵法書のようなものである。原文と現代文訳があわせて載せられていている。

特筆すべきは、口語体で書かれた書物であること。雑兵教育のためにわかりやすくするために、そうしたのであろう。原文は面白い雰囲気だ。17世紀頃の兵士の言葉遣いがわかる史料でもある。

 

 

『武将逸話集 現代訳 武者物語(史学社文庫)』Kindle版

訳/山﨑白露 2019年

 

『武者物語』だ。こちらも17世紀発行の兵書。編者は松田秀任。その現代語訳である。戦国時代の名将の逸話が収録されている。

 

 

『新版 古事記物語(角川ソフィア文庫)』 Kindle版

著/鈴木三重吉 発行/KADOKAWA/2014年

 

児童文学者である鈴木三重吉が『古事記』の物語を訳したもの。童話風で読みやすい。同書は挿絵もいい感じ。

 

 

Kindle Unlimitedは本好きにはいいサービスだと思う。