ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。

おもに南九州の歴史を掘りこみます。薩摩と大隅と、たまに日向も。

2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

郡山東俣の一之宮神社、森の中に島津忠久・丹後局・惟宗広言を祀る

島津忠久(しまづただひさ)は島津氏の初代である。この人物を祀る神社が鹿児島市郡山町東俣に鎮座する。一之宮神社(いちのみやじんじゃ)がそれだ。大きな古木が立ち並ぶ森の中へと参道が伸びる。奥には立派な社殿があった。 島津氏の祖 森の中へ 18世紀に…

『戦国武将列伝11 九州編』(編/新名一仁)、九州の戦国時代の実像が見えてくる

九州の戦国時代というのは、一般的にはあまり知られていないと思う。九州に限らず、地域史のすべてに言えることでもあるけれど。 こんな本がある。九州の戦国時代を知るには、イイ本だと思う。 『戦国武将列伝11 九州編』編/新名一仁発行/戎光祥出版/2023…

日秀神社(三光院跡)、ミカンが香る高台に日秀上人がいる

「朝日(あさひ)」という場所が、鹿児島県霧島市隼人町にある。鹿児島神宮(かごしまじんぐう)から西のほうに山をのぼっていったところだ、ここはミカンの産地。高台に果樹園が広がっている。 この地に日秀神社(にっしゅうじんじゃ)は鎮座する。御祭神は…

上井城跡にのぼってみた、上井覚兼ゆかりの山城は古代からの激戦地

上井覚兼(うわいかくけん)という人物がいる。16世紀後半に島津義久(しまづよしひさ)の老中を務め、島津氏の勢力拡大の中で活躍した。『上井覚兼日記』という一級史料を残したことでもよく知られている。 上井氏の名乗りは、大隅国囎唹郡(そおのこおり、…

加治木小山田の大井上神社、墨書材に「豊臣に降った島津」について記される

鹿児島県姶良市加治木に小山田(こやまだ)というところがある。山と山の間に網掛川(あみかけがわ)が流れ、その川沿いに水田が広がっている。「小山田」という地名はそんな様子に由来するとも。 田園地帯に小山がある。叢林に鳥居が見える。鎮座するのは大…

小山田徳永の田の神(大井上神社の田の神)/鹿児島県姶良市加治木町小山田

鹿児島県姶良市加治木町に大井上神社(おおいがみじんじゃ)が鎮座する。その参道口にタノカンサァ(田の神)がいた。 大井上神社の参道口、写真の左下に……。 タノカンサァ(田の神)の像が、鹿児島県や宮崎県ではそこらじゅうにある。島津氏の領内で見られ…

『宝暦治水伝 波闘』(作/みなもと太郎)、木曽三川に挑んだ薩摩義士の物語

宝暦4年(1754年)から翌年にかけて、薩摩藩は木曽三川の治水工事に関わった。「宝暦治水」とも呼ばれている。 木曽三川とは木曽川(きそがわ)・長良川(ながらがわ)・揖斐川(いびがわ)のことである。美濃国・伊勢国・尾張国が国境を接するあたりで、3本…

阿多の和多利神社(上宮寺跡)、島津運久と島津忠良を祀る

和多利神社(わたりじんじゃ)は鹿児島県南さつま市金峰町宮崎に鎮座する。このあたりはかつての薩摩国阿多(あた)である。 御祭神は国饒大年彦命(クニニギオオトシヒコノミコト)と 日新偉霊彦命(ヒワカクシタマヒコノミコト)。島津氏相州家の島津運久…