神社・寺院
境内は森の中。クスノキの巨木があり、枝葉が空を覆う。蛭兒神社(ひるこじんじゃ、蛭児神社)は鹿児島県霧島市隼人町内に鎮座する。御祭神は蛭児尊(ヒルコノミコト)。創建時期は不明。神代の頃とも伝わる。 また、このあたりの森は「なげきのもり」と呼ば…
鹿児島県姶良市鍋倉のあたりは「米山(よねやま)」とも呼ばれている。この地名は「米山薬師(よねやまやくし)」に由来する。 『三国名勝図会』(19世紀に薩摩藩が編纂した地誌)にイイ感じの絵図もある。 『三国名勝図会』巻之三十八より(国立国会図書館…
久満崎神社(くまさきじんじゃ)は、鹿児島県霧島市国分山下町に鎮座する。ここでは、隼人(はやと)との関わりが感じられる。御祭神は大山祇命(オオヤマヅミノミコト)。そして隼人神を祀っているとも伝わる。 隼人七隈 かつては山上に鎮座 久満崎神社をお…
国道10号は鹿児島湾岸を通っている。鹿児島市と姶良市とをつなぐ主要道路である。この海沿いの道はとても景色がよい。鹿児島湾と桜島を見ながら走る。陸地側に姶良カルデラのカルデラ壁が続いている。 この道を行き来する際に白濱神社(しらはまじんじゃ)の…
鹿児島県姶良市に北山というところがある。ここはだいぶ山深い感じだ。県道446号を走っていくと、森の中に忽然と参道口が現れる。梅北神社(うめきたじんじゃ)である。 林道の中に鎮座 御祭神は梅北国兼(うめきたくにかね)。天正20年(1592年)に豊臣政権…
霧島神宮は鹿児島県霧島市霧島田口に鎮座する。天孫降臨の神話が息づく、格式の高い神社である。島津(しまづ)氏の崇敬も篤く、境内は壮麗な雰囲気なのだ。 勅使殿の向かって左から山のほうへ入れるようになっている。こちらへも行くべし! 霧島神宮の見ど…
ニニギノミコトが天降ったことから日向三代(ひむかさんだい)の物語が始まる。「天孫降臨」である。そして、建国へとつながっていく。『古事記』や『日本書紀』にはそう記されている。 高千穂峰(たかちほのみね)は天孫降臨の伝承地とされる。そのふもとに…
霧島神宮(きりしまじんぐう)は高千穂峰(たかちほのみね)の麓に鎮座している。かつては、もっと山の近くにあった。 現在の境内から7㎞ほどの道のりを登っていくと、高千穂河原(たかちほがわら)にいたる。ここは標高約970m。高千穂峰への登山口がある場…
一之宮神社(いちのみやじんじゃ)は鹿児島市郡元に鎮座する。鹿児島市内でもっとも古い神社とも言われている。創建は天智天皇の御代(7世紀後半)と伝わる。 御祭神は大日靈貴命(オオヒルメムチノミコト)。天照大神(アマテラスオオミカミ)と同一とされ…
イザナギノミコトは黄泉国(よもつくに)を脱して、『古事記』によると「竺紫日向之橘小門之阿波岐原(つくしのひむかのたちばなのおどのあはきがはら)」へといたる。『日本書紀』では「筑紫日向小戸橘之檍原」と記される。そして、身をすすぎ清め、その際…
「佐久良谷(さくらだに)」は鹿児島県曽於市南之郷の山奥にある。「桜谷」とも書く。こちらを訪問した。 この地は『三国名勝図会』で知った。絵図がやたらと目をひく。なんだか強烈な印象を受けるのだ。同書の解説によると「神代の舊跡」だという。 『三国…
稲荷神社は島津氏の氏神である。そのひとつが市来湯田(いちきゆだ、鹿児島県日置市東市来町湯田)に鎮座する。境内は重厚な雰囲気である。かなりしっかりとした造りで、大事にされてきたことがうかがえる。 承久3年(1221年)に丹後局(たんごのつぼね)が…
鹿児島神社(かごしまじんじゃ)は鹿児島市草牟田に鎮座する。御神号は宇治瀬大明神(うじせだいみょうじん)。「宇治瀬様(うってさぁ)」とも呼ばれている。 由緒をたどると、かなり古い神社のようだ。ここは南九州の古代の信仰もちょっと感じられる。「鹿…
石體神社(しゃくたいじんじゃ)は鹿児島県霧島市隼人町内に鎮座する。鹿児島神宮(かごしまじんぐう)から水路沿いを北西方向にちょっと行ったところに位置し、その摂社でもある。こちらもまた、なかなか雰囲気のある神社である。 ヒコホホデミノミコトが住…
鹿児島神宮(かごしまじんぐう)は大隅国の一之宮。鹿児島県霧島市隼人町内に鎮座する。その歴史は神代から続くとされる。規模も大きく、摂社や末社も多く、稲荷神社も末社のひとつである。 こちらの稲荷神社は不思議な雰囲気。いかにも神威が強そうな感じな…
鹿児島神宮(かごしまじんぐう)は大隅国一之宮である。鹿児島県霧島市隼人町内に鎮座する。 現在、「カゴシマ」というと鹿児島市のあたり(かつての薩摩国鹿児島郡)をさすが、もともとは大隅国の鹿児島神宮鎮座地のあたりの名称だったとも。 ここは「神話…
田園風景の中に鳥居が見つかる。山の麓に黒島神社(くろしまじんじゃ)は鎮座。なんとも独特な雰囲気の神社である。場所は鹿児島県姶良市の山田地区(姶良市上名)。県道40号沿いに小さな案内看板があり、そこから小道に入って北上すると着く。 山の麓に鳥居…
吾平山上陵(あいらやまのえのみささぎ、あいらさんじょうりょう、あいらさんりょう)は鹿児島県鹿屋市吾平町にある。神代三陵(じんだいさんりょう、かみよさんりょう、神代三山陵)のひとつに数えられ、ヒコナギサタケウガヤフキアエズノミコト(彦波瀲武…
丘の上に石像がいっぱい! ここは「高鍋大師(たかなべだいし)」と呼ばれている。 妙なセンスが光る石像群 場所は宮崎県児湯郡高鍋町。このあたりの地形は河岸段丘になっていて、段丘の上には持田古墳群(もちだこふんぐん)がある。前方後円墳10基・円墳75…
鹿児島県垂水市は海岸線の景色が美しい。桜島は鹿児島市から見た姿がよく知られているが、大隅半島側からの姿も素晴らしいのである。 『三国名勝図会』という本がある。江戸時代末期に編纂された島津氏領内の地誌である。この中には桜島の見える風景の絵図が…
ここは桜島が近い。牛根麓稲荷神社(うしねふもといなりじんじゃ)は鹿児島県垂水市牛根麓に鎮座する。 桜島は日常的に噴火する活発な火山だ。大噴火の記録も残っていて、近い時代では大正3年(1914年)のものがよく知られている。大正大噴火では桜島の中腹…
鹿児島県曽於市末吉町に鎮座する住吉神社(すみよしじんじゃ)を参拝した。御祭神は底筒之男命(ソコツツノオノミコト)・中筒之男命(ナカツツノオノミコト)・表筒之男命(ウワツツノオノミコト)。住吉三神である。 檍原の伝承地 境内をあるく 姥石 島津…
檍神社(あおきじんじゃ)は鹿児島県曽於市末吉町南之郷に鎮座する。境内からは東方向へ視界が広がり田園風景が遠くまで続いている。この一帯は古くから「檍原(あはきがはら、あおきがはら)」と呼ばれている。 檍神社と檍原 『古事記』には、イザナギノミ…
平松神社(ひらまつじんじゃ)は鹿児島市吉野町の竜ヶ水(りゅうがみず)に鎮座する。御祭神は碧空巌岳彦命(あおぞらいずたけひこのみこと)。島津歳久(しまづとしひさ)のことである。前身を心岳寺(しんがくじ)といい、島津歳久の菩提寺であった。 島津…
鹿児島県北部の山間に「湧水町」という自治体がある。2005年に吉松町と栗野町の合併により発足したもので、湧水が多い地域であることから新町名もつけられている。このあたりは霧島連山の西麓に位置し、山々が蓄えた水が湧出する。湧水町内では栗野(くりの…
桜の季節の城跡の写真を撮っておこうかと思い、鹿児島県姶良市にある帖佐館(ちょうさやかた)・平山城(ひらやまじょう)・岩剣城(いわつるぎじょう)・蒲生城(かもうじょう)にいってみた。見頃はちょっとすぎている感じで、花びらが落ちて地面をピンク…
花満開であった。精矛神社(くわしほこじんじゃ)を参拝した。再訪である。 精矛神社は鹿児島県姶良市加治木に鎮座する。御祭神は精矛厳健雄命(くわしほこいずたけをのみこと)だ。島津義弘(しまづよしひろ)公である。 島津義弘は関ヶ原の戦いから生還し…
すごく遠い。行くにはけっこうな覚悟が必要だ。ここは離島を除く日本列島の最南端。 佐多岬は鹿児島県肝属郡南大隅町にある。車を走らせて南下していくうちに、植物の感じが亜熱帯性のものにかわる。陸続きなのに、見える景色は日本じゃないみたいなのだ。 …
戦国島津氏は島津忠良(しまづただよし、島津日新斎、じっしんさい)にはじまる。もともとは分家のひとつの相州家の当主であったが、嫡男の島津貴久を本宗家の後継者に擁立する。そして、一族間の抗争を勝ち抜いて覇権を握った。 島津忠良(島津日新斎)は薩…
宮崎県南西部から鹿児島県北東部にかけて広大な盆地が広がっている。都城盆地は南北約30km・東西約25㎞もの規模があり、2市2町(宮崎県都城市・三股町・高原町、鹿児島県曽於市)にまたがる。 この都城盆地を統治したのが、島津一族の北郷(ほんごう)氏であ…