鹿児島県姶良市加治木町に大井上神社(おおいがみじんじゃ)が鎮座する。その参道口にタノカンサァ(田の神)がいた。
タノカンサァ(田の神)の像が、鹿児島県や宮崎県ではそこらじゅうにある。島津氏の領内で見られ、18世紀頃からつくられるようになったと考えられている。田の守り神として大事にされてきた。
像は路傍に置かれていることも多い。畔の上だったり、ちょっと高くなった場所に置かれていたりする。
タノカンサァ(田の神)の詳細はこちらの記事にて。
頭にはシキ(米を蒸す道具)をかぶっている。破損と風化がすすんでいるものの、田の神舞(タノカンメ)の姿をかたどったものである。高さは68㎝。腕は破損している。
訪問当日は確認できなかったが、安永8年(1779年)の紀年銘があるとのこと(『田の神像 南九州大隅地方』より)。
片膝を立て、袖をまくりあげている。所作がおもしろい。
訪れたのは田植えの季節。タノカンサァ(田の神)がしっかりと見守っている。
大井上神社についてはこちらの記事にて。
<参考資料>
『田の神像 南九州大隅地方』
著/野田千尋 発行/木耳社 1971年
ほか