鹿児島県姶良市の重富公園の駐車場の一角に並んでいた。「山ノ口の田の神」と呼ばれているそうだ。
ひとつは座像。もうひとつは田の神舞の姿をかたどった立像だ。
タノカンサァは、17世紀頃から島津氏領内で盛んに作られるようになったと考えられる。五穀豊穣や集落の守り神として大事にされてきたものである。詳細についてはこちらの記事にて。
右側のタノカンサァ(田の神)は、安永4年(1775年)に造られたものとのこと。高さは80㎝ほど。持ち物は破損している。右手には鈴のついた何かを、左手には棒状のものを持つ。
顔は着色されていたようだ。造形はけっこう写実的。
左側のタノカンサァ(田の神)は、風化がかなり進んでいる。衣冠束帯姿の像っぽい。高さは60㎝ほど。
一緒に並んでいた石祠は水神である。正徳6年(1716年)の銘が入っている。なにげに横のタノカンサァよりも古い。
タノカンサァを背後から。
由緒はよくわからず。どこからか移されてきたものだろうか?
あるいは、もともとこのあたりに置かれていた可能性もなくはない。高台から一帯を見守るような感じで。