ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。

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新開の田の神、青田が広がる風景の中に/鹿児島県姶良市加治木町小山田

タノカンサァ(田の神)は鹿児島県や宮崎県に多い。いろいろな場所で見かけるが、やはり田んぼのある風景の中がよく似合うのだ。そんなタノカンサァのひとつを、訪ねてみた。

場所は鹿児島県姶良市加治木町小山田の原田地区。ここは山と山の間に網掛川が流れ、その川沿いに田んぼが広がっている。そんな景色から「小山田」という地名もきているのだろう。

田園風景

見つけられますか?

 

タノカンサァ(田の神)の像は18世紀初頭頃から島津氏領内(薩摩藩)で盛んに造られるようになった。詳細についてはこちらの記事にて。

rekishikomugae.net

 

 

 

 

 

畔の上にいた。「新開の田の神」と呼ばれている。

田の神像

田を見守る

 

像の横には御影石の記念碑もある。「加治木町最古の田の神」とある。製作年が元文五年(1740年)とのこと。加治木石の一種である「桃木野石(ももきのいし)」で造られている。

田の神像と記念碑と

花も供えてある、地域で大事にされている

 

手の先は欠損してわからず。頭には大きなシキ(米を蒸す道具)をぶっている。足元を見ると座像だろうか。『姶良市田の神ガイドマップ』では「神職型」としている。

田の神像

ちょっと寄りめで

 

顔を見る。髪の毛がないような……。僧がシキをかぶっているようにも見える。

田の神像の顔

こんな顔


背後から撮影。

 

田の神像を背後から

シキの網目もしっかり残っている

 

訪れたの9月半ば頃。恵みの秋はすぐそこに。