ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。

おもに南九州の歴史を掘りこみます。薩摩と大隅と、たまに日向も。

『三州大乱そして下剋上/南九州戦乱史1』っていう電子書籍を出版してみました

南九州の中世史は面白い! 14世紀と15世紀が熱い! と個人的には思っています。

Amazonのkindleにて、電子書籍を出版しました。南北朝争乱期から島津忠良(しまづただよし)・島津貴久(たかひさ)の下剋上までの情報を中心にまとめました。古代のこともちょっと触れています。

 

『三州大乱そして下剋上/南九州戦乱史1 南北朝争乱から島津貴久の覇権掌握まで』

 

月額制読み放題の「Kindle Unlimited」の対象にもなっているので、こちらからの利用もどうぞ。

www.amazon.co.jp

 

ちなみに「三州」というのは、薩摩国・大隅国・日向国をさす。

 

島津氏については、戦国時代はそれなりに知られていると思われる。島津義久(しまづよしひさ)・島津義弘(よしひろ)・島津歳久(としひさ)・島津家久(いえひさ)の四兄弟の活躍で三州制圧を成し遂げ、九州全域へと勢力を広げていった、と。また、彼らの父の島津貴久、祖父の島津忠良の下剋上から覇権掌握までの軌跡もなかなかに泥臭い。

戦国島津氏はゲームやマンガなどのエンターテイメント作品でもちょくちょく見る。こういったものから興味を持っている人もけっこう多いんじゃないだろうか。

一方で、島津忠良よりも前の時代は……あまり注目されていない。地元の鹿児島においても、である。

 

戦国時代へとつながる15世紀はとんでもない乱世なのだ。さらに遡って、14世紀の南北朝争乱期から熾烈な争いが続いてきた。

島津氏の動きはというと、南北朝争乱期では北朝と南朝を行ったり来たり、九州探題(幕府)とガチンコでやりあったり、一族の分裂と対立があったり、家督継承問題から揉めに揉めたり、分家の反乱やら国衆の反乱やらが同時多発したり……などなど。ずっと戦乱が続いているのだ。

それから、島津氏と戦ってきた氏族にも譲れないものがあるのだ。例えば、薩摩平氏とか、肝付(きもつき)一族とか、渋谷(しぶや)一族とかにも……。

繰り返しになるけど、南九州の中世史は面白い!

 

三州大乱そして下剋上

 

目次はつぎのとおり。章ごとの小見出しもあわせて。

 

一章 南九州には巨大荘園があった

島津荘

大隅正八幡宮領

薩摩国と大隅国

大隅隼人の反乱

巨大荘園の出現

「別符(別府)」と「院」

府領社・寺領・社領

在地領主はどこから来たのか?


二章 南九州の在地領主たち

伴姓肝付氏

薩摩の伴氏

矢上氏・長谷場氏

薩摩平氏(河邊一族)

英祢氏(莫禰氏)

山門氏

富山氏/藤原姓禰寝氏

建部氏/平姓禰寝氏

税所氏

大前氏

桑幡氏

吉田氏

蒲生氏    

酒井氏

調所氏

菱刈氏

牛屎氏

篠原氏

執印氏(惟宗氏)

宮里氏/権執印氏

伊集院氏(紀姓)

加治木氏(大蔵氏)

市来氏(大蔵氏)

延時氏(大蔵氏)

日下部氏

土持氏

 

三章 島津氏がやってきた

惟宗忠久が「島津」を名乗る

島津忠久の出自

惟宗氏は南九州と縁がある

十三世紀の島津氏の南九州支配

島津氏の薩摩入り

山田氏・町田氏・伊集院氏

伊作氏、薩摩の支配の要

肝付氏の苦難

 

四章 鎌倉時代に来た者たち

鮫島氏

二階堂氏

渋谷一族/東郷氏・祁答院氏・鶴田氏・入来院氏・高城氏

比志島氏

平山氏

平田氏

上井氏

敷根氏

廻氏

肥後氏/種子島氏・横川氏・財部氏

野辺氏

相良氏

伊東氏

 

五章 南九州の南北朝争乱

島津貞久の人物像

倒幕と九州大返し、そのとき島津は

肝付兼重の挙兵

薩摩の南朝方が蜂起

碇山城へ、島津氏が拠点を移す

島津氏が鹿児島を奪う

懐良親王の薩摩入り

楡井頼仲の挙兵

観応の擾乱、島津はどうする?

三つ巴の争いから、島津と畠山の抗争へ

和泉氏・佐多氏・新納氏・樺山氏・北郷氏・川上氏

 

六章 総州家と奥州家

兄は薩摩守護、弟は大隅守護

島津氏と今川氏の抗争

反抗する渋谷一族

島津両家の対立

島津元久が三州守護に

「三州統一」は島津氏の宿願

伊東氏と島津氏の対立

島津元久の急死、島津久豊が葬儀に乱入

伊集院頼久の乱

島津久世の憤死

河邊の戦い

薩摩平定、総州家の没落

 

七章 大混乱の十五世紀

伊作氏の没落

島津久豊の日向攻め

島津忠国と島津用久

総州家の滅亡

帖佐の豊州家

羽州家・伯州家

新納氏が飫肥を任される

相州家、後継者になれなかった長男

伊作久逸、養子に出された三男

常州家・予州家・摂州家

島津忠国、二度目の追放

後継者問題と薩州家

分家が叛く

 

八章 文明の大乱

新納氏の繁栄

新納忠続と新納是久と、そして伊作久逸と

伊作久逸・新納是久が挙兵

戦乱の波及

島津忠廉(豊州家)の離反

飫肥の決戦、伊作久逸の降伏

 

九章 島津相模守忠良

菊三郎の誕生

伊作善久の死、伊作久逸の死

母の再婚、菊三郎も相州家へ

相州家をつぐ

島津運久の実子

虎寿丸(島津貴久)の誕生

 

十章 下剋上

乱世

島津忠昌の自害、そして三人の息子たち

大永六年の政変

薩州家の反撃

群雄割拠

庄内の北郷忠相

加治木の肝付氏

相州家に与する者

日置南郷城の戦い

守護の逃亡

新納氏の没落

相州家の復権

十三人衆の反抗

伊集院に拠点を移す

豊州家・北郷氏が相州家を支持

清水の動乱

加治木黒川崎の戦い

島津貴久、守護に任じられる

島津貴久の弟と姉と妹と

島津貴久の息子たち

大隅合戦

 

 

 

 

 

こちらの記事は、島津氏に関する書籍や史料についてまとめたものです。『三州大乱そして下剋上/南九州戦乱史1』をつくる際にも参考にしました。

rekishikomugae.net

 

 

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