ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。

おもに南九州の歴史を掘りこみます。薩摩と大隅と、たまに日向も。

木津志の田の神/鹿児島県姶良市木津志

けっこう大きなタノカンサァ(田の神)だ。高さは台座を含めると117㎝。像だけでも96㎝。幅も60㎝くらいある。

鹿児島県姶良市の山間のほうに木津志(きづし)というところがある。そこで見つけたタノカンサァだ。「木津志の田の神」と呼ばれている。城野神社の鳥居の前のあたりの道の脇で、田んぼを見守っている。

 

木津志のタノカンサァは、耕地整理記念碑と並んで置かれている。もともとは地域内の別の場所にあったが、農地整理事業でこの場所へ移されたという。

 

田の神像と記念碑

記念碑と並んで

 

城野神社については、こちらの記事にて。

rekishikomugae.net

 

 

鹿児島県内には、田の神像があちこちにある。島津氏の領内で18世紀頃から盛んに造られるようになった。田の守り神であり、豊穣の神であり、子孫繁栄の神でもある。

タノカンサァ(田の神)の詳細はこちらの記事にて。

rekishikomugae.net

 

 

製造年代は不明だが、けっこう古いもではある。像のデキも良い。

田の神像ではよく見る「田の神舞」の姿で、中腰でしゃがむ。頭には大きなシキ(米を蒸すときに使う道具)をかぶり、右手にはメシゲ(シャモジ)を持っている。左手は欠けていてわからず。

 

田の神像

タノカンサァ、注連縄も掛けられている

 

 

後ろ姿はこんな感じ。田の神像には陽石の要素も垣間見える。

 

タノカンサァの後ろ姿

背中から

 

顔が大きい。近くで見ると、なかなかに迫力がある。

 

田の神像の顔

いい表情だ

 

空を見るような仕草は、何か意味があるのだろうか?