鹿児島県姶良市は、桜島の北側の鹿児島湾の奥に位置する。重富海岸からやや西側に「松原」という場所がある。この海辺に朱色の鳥居が立つ。そこが御門神社(みかど)だ。
御祭神は豊磐牖命(トヨイワマドノミコト)・櫛磐牖命(クシイワマドノミコト)。また、善神王も祀られているという。善神王とは武内宿禰(タケシウチノスクネ)のこと。
創建年代は不明。御門神社の起こりについてはつぎのような話が伝わっている。
御門神社のあるあたりは大隅国帖佐のうちである。13世紀~15世紀頃の帖佐領主は平山氏(ひらやま、紀姓)だった。その昔、平山氏と国分八幡(こくぶはちまん、鹿児島神宮、鹿児島県霧島市隼人町)との間に争いがあったという。国分八幡の社家は帖佐を攻めるが、平山氏の猛攻を受けて逃げ帰った。このときに、国分八幡から守り神として持ち込んだ善神王(御神体か)を投げ捨てて引き上げた。その善神王を平山氏が拾い上げ、この地に祀ったのだという。
平山氏の詳細は、こちらの記事にて。
国分八幡(鹿児島神宮)についてはこちら。
御門神社へは細めの道を入っていく。境内に隣接して3台分ほどの駐車スペースがあった。境内はきれいに手入りされている。
社殿は小さいながらも立派だ。まだ新しい感じである。
目の前には海が広がる。海岸線に沿って遊歩道もある。散歩をしている人も多かった。この風景はカルデラ噴火(姶良カルデラ)に由来する地形。湾を取り囲む外輪山の様子もよくわかる。
海が広い! 空が広い! 開放感あり! 気持ちの良い場所だった。
<参考資料>
『姶良町郷土誌』
編/姶良町郷土誌改訂編さん委員会 発行/姶良町 1995年