鹿児島市の北のほうに「皆房(かいぼう)」という場所がある。もともとは皆房村というのがあったそうだが、現在は比志島(ひしじま)とあわせて皆与志町という字になっている。
この皆房でタノカンサァ(田の神様)を見つけた。「皆房の田の神」と呼ばれているそうだ。
Googleマップで検索して地図を確認。「皆房田の神広場」というものがある。現地に行くと、道路沿いに広場がある。車を停められるスペースもあった(1台分ほど)。
広場の隅のほうにタノカンサァはいた。ちょこんと、しゃがみ込んでいる。『鹿児島市 史跡めぐりガイドブック』によると高さは58㎝とのこと。製作時期は不明。
大きなシキ(米を蒸す際に使う道具)を頭にかぶる。左手にはメシゲ(シャモジ)。右手のほうは持ち物が欠けている。表情は風化してわからず。丸っこいフォルムで愛嬌がある。
タノカンサァは子孫繁栄の神様でもある。像には「陽石」の要素も。背中のほうから見るとそのことがよくわかるのだ。
「皆房の田の神」はすごくよくできていると思う。なんだか、動きだしそう。
タノカンサァ(田の神様)は、豊穣をもたらす守り神として地域で大事にされてきた。鹿児島県内ではとにかくよく見かける。タノカンサァの詳細については、こちらの記事にて。
<参考資料>
『鹿児島市 史跡めぐりガイドブック』(五訂)
発行/鹿児島市教育委員会 2016年
ほか