ムカシノコト、ホリコムヨ。鹿児島の歴史とか。

おもに南九州の歴史を掘りこみます。薩摩と大隅と、たまに日向も。

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

蒲生の大楠、国が公認した「日本一の巨樹」

これぞ「巨樹」という言葉がぴったりだ。とにかく大きい。存在感は圧倒的だ。そしてミシミシと生命力が伝わってくるのである。 「蒲生の大楠」は蒲生八幡神社の御神木である。鹿児島県姶良市蒲生町にある。ほかに「蒲生の大クス」「蒲生のクス」といった表記…

蒲生八幡神社は創建から900年、島津義弘も崇敬した大隅国の武神

鹿児島県姶良市に蒲生(かもう)というところがある。この地に鎮座する蒲生八幡神社(かもうはちまんじんじゃ)は素敵な場所だ。 主祭神は仲哀天皇・応神天皇・神功皇后。ほかに摂社・末社も境内には祀られている。 そして、境内には「蒲生の大楠」と呼ばれ…

漆の田の神・竹牟礼の田の神/鹿児島県姶良市蒲生町漆

鹿児島県姶良市蒲生町に「漆(うるし)」というところがある。けっこう山奥のほうへ入っていくような感じだ。林道を車で進むと開けた場所に出る。田んぼが広がっている。 田園地帯の辻にタノカンサァ(田の神)がいる。「漆の田の神」と呼ばれている。 山里…

島原合戦(沖田畷の戦い)と阿蘇合戦/戦国時代の九州戦線、島津四兄弟の進撃(6)

肥後国では、島津義久(しまづよしひさ)と龍造寺隆信(りゅうぞうじたかのぶ)による勢力争いが続いていた。 天正9年(1581年)8月、島津義久は肥後国水俣(みなまた、熊本県水俣市)を攻めて、相良義陽(さがらよしひ)を降伏させた。 球磨・葦北・八代(…

隈媛神社(宝現寺跡)、島津義弘の二人目の妻を祀る

鹿児島県姶良市加治木町木田に、隈媛神社は鎮座する。御祭神は隈媛命(クマヒメノミコト)。「球磨から来た姫」を意味する。その姫とは、島津義弘(しまづよしひろ)のニ番目の妻である。肥後国球磨(くま、熊本県人吉市のあたり)の相良義陽(さがらよしひ…

藺牟田麓の田の神、藺牟田池の疎水開田の地/鹿児島県薩摩川内市祁答院町

タノカンサァ(田の神)は、鹿児島県内のあちこちで見かける。田んぼが広がる田舎の風景の中で、「何か石っぽいものがあるなあ」と近づくと、だいたいそれなのである。 畔の上に 場所は鹿児島県薩摩川内市祁答院町藺牟田の麓(ふもと)というところ。藺牟田…

姶良松原の御門神社、鳥居越しに桜島をのぞむ

鹿児島県姶良市は、桜島の北側の鹿児島湾の奥に位置する。重富海岸からやや西側に「松原」という場所がある。この海辺に朱色の鳥居が立つ。そこが御門神社(みかど)だ。 海辺に鳥居 御祭神は豊磐牖命(トヨイワマドノミコト)・櫛磐牖命(クシイワマドノミ…

『大乱 関ヶ原』第1巻(作/宮下英樹)、のちの勝者が焦り、空回りする

面白い! すごく面白い! 『大乱 関ヶ原』は宮下英樹(みやしたひでき)氏が手がけるマンガ作品である。2022年より月刊誌『コミック乱』(発行/リイド社)で連載開始。2023年4月に第1巻が発売された。 大乱 関ヶ原 (1) (SPコミックス) 作者:宮下英樹 リイ…